醜いって誰のこと?それはお前だ、鞭打つ者よ。

「エレファント・マン」

 

 

エレファント・マンが可哀そうでひたすら辛かった記憶があって、二度と観てはいけない映画と思っていた。が、ほぼ忘れた状態で観たら、随分と印象が違う。

 

エレファント・マンと呼ばれている奇形の男、ジョン・メリック(ジョン・ハート)が、その姿が醜いと心無い人々に虐められたり、酷い扱いを受け続ける映画という印象だったのだけど、ジョンに良くしてくれる人々を同じくらい、いや、もしかしたらそちらの方を多めに描いているかもしれない。

 

見世物小屋で好奇の目に晒されていた囚われのジョン。見世物ショーの主人バイツ(フレディ・ジョーンズ)はジョンを自分の所有物かつ動物のように扱っていた。外科医のトリーヴス(アンソニー・ホプキンス)は奇形のジョンを研究対象として病院に招くうち、彼が知的で穏やかな人物であることに好意を持ち、バイツからジョンを引き離して、病院の一室をジョンに用意して人間らしい暮らしを提供する。

 

初めはジョンの姿に怯えていた看護師達、病院でジョンを預かることに懸念を示していた院長もジョンの人となりを知るうちに、ジョンを怪物のように見ることはなくなっていく。

 

新聞でジョンの芸術への想いを知った大女優のケンドール夫人(アン・バンクロフト)はジョンとの面会を申し出て、初めてその姿を側に見た時からジョンの姿にすくむこともなく、全く差別的な態度がなかった。ふたりで戯曲『ロミオとジュリエット』を読み合い、ジョンの内にある芸術への羨望と理解にその場で応えるのだった。ロミオに扮するジョンにジュリエットのケンドール夫人は口づけをする。

 

ケンドール夫人、トリーヴス医師らが慈悲に溢れて美しいので、ジョンを下等な生物としか見ていない醜悪な人々の下衆さがこれでもかと際立つ。

 

「あいつはバケモンだ」ジョンを人間扱いせず、鞭打つ見世物小屋主人バイツ。手伝いの男の子の「お願い、やめて!」の懇願が辛い。

 

病院の警備係の男は、ひとり勝手に見世物ショーを開催。内緒で夜の病院の鍵を開け、ジョンの部屋にこれまた下衆な人々を招き入れて小銭を稼ぐ。

 

日中、病院のジョンの部屋には面会を希望する客人が次々と。こちらは一応きちんとした人々だが、しかし、ジョンの奇形ぶりを見たいだけの興味本位で面会する人達もいるわけで、トリーヴス医師は自分のやっていることも見世物小屋の主人と変わらないのではないか?と自問する。いえ、絶対に違いますよ!!

 

檻に入れられて鞭打たれていたジョン。身だしなみを整えて自分の部屋で客人を招き入れる日々はジョンにとって望むことの出来なかった普通の人間の暮らしそのもの。たとえ、ジョンの姿にティーカップを持つ手が震えるご婦人がいたとしても。

 

ジョンはケンドール夫人に招待され、彼女の舞台劇で桟敷席に座る。美しい大劇場に集まった大勢の人々の中、舞台の上のケンドール夫人から紹介され、会場から暖かい拍手を受けるジョン。その夜、”普通の人間の暮らし”に焦がれるジョンは、圧迫死の危険があって”普通の人間”のように横になって寝ることはしたことがなかったが、ベッドに置かれたたくさんのクッションをひとつひとつ落としていく。今夜は”普通の人間”のように横になって眠るのだ。

 

ラストシーンが悲しくて辛かったのを覚えていた。でも違った。ジョンは充ちたりてクッションを除けたのだ。そこにジョンの悲しみはなかったのだと、彼の納得の人生が見えた。彼は幸せの中で生涯を閉じたのだった。

 

 

名優アンソニー・ホプキンスが聡明で誠実なトリーヴス医師を演じていて安心感。

 

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ピーラー攻撃やめろ!グロと笑いのシーソーゲームに耐えられるか?私は笑いが勝ちました。

「ウェポンズ」

 

 

深夜2時17分、カントリーソング調のギターの音、優しい歌声と一緒に田舎町の住宅地の暗闇を子供たちが飛行機ポーズで走っていく。なんだかすっごく美しいんだ。子供たち、楽しそう。さあ、みな飛行機ポーズで走っていくよ。

 

そんな幻想的な始まり。実は子供たちはその後戻らず失踪したままとなる。1ヵ月経っても音沙汰無し。失踪した17名は同じクラスの子たちで、只一人の男の子アレックスだけは無事だった。事件を受けて休校となっていた小学校は他のクラスの生徒たちのこともあり、授業を再開するにあたって保護者を集めた臨時集会を開く。

 

新任の若い女性教師ギャンディ先生も同席するが、保護者の一人アーチャー(ジョシュ・ブローリン)は「なぜギャンディ先生のクラスだけが?何か知ってるんじゃないのか!?」とギャンディ先生を責め立てた。他の保護者たちも同調。いたたまれなくなるギャンディ先生。

 

「夜道に気をつけな」の非通知電話だとか、車に「魔女」とかペイントされたりと追い詰められていくギャンディ先生(ジュリア・ガーナー)。校長先生はしばらく休職し、ひとり残ったアレックスは警察からの事情聴取を受けたりもしているので、彼とは接触しないよう言い渡す。ギャンディ先生はとても生徒たちを心配しているんだけど、校長先生から生徒との距離が近過ぎると言われていた。落ち込んでいた生徒をハグしたり、スクールバスに乗り遅れてしまった生徒を自分の車で送っていったりしたことに対して、プロフェッショナルじゃないと。優しい先生ともとれるけど現代は色々あるからね。。。

 

で、校長先生にアレックスに今は会うなって言われているのに、ギャンディ先生は我慢が出来ない人で勝手に会いに行っちゃう。他にも今この時にちょっとまずいなっていう軽率な行動もあったりして、ギャンディ先生、結構やらかす。そんな不安定ぶりが物語を盛り上げる。

 

進展のない警察捜査。ギャンディ先生にめちゃ怒ってたアーチャーは仕事柄即量が出来るので、子供たち失踪時に映ってた防犯カメラの位置から子供たちが走っていった方向を分析。段々とひとつの方向に狙いが向かっていく。

 

小さな町内で子供たちの失踪に絡む人々のオムニバスとなっているんだが、同じ時間経過を追っているにも関わらず、それぞれの目線で段々と真相が見えてくる作りにしているのが面白くて物語に入り込んだ。

 

怖いのが苦手なので、観る前にこれはかなり怖いのか?耐えられるか?と警戒しつつ、アカデミー授賞式で見掛けたポップでヘンテコなスタイルの前髪が短い真っ白粉拭き顔のお婆様が気になり過ぎたんで、勇気を出して観てみた。R指定でグロ危険を教えてくれてる映画だけど、現代のホラーを観ている目にはそれほどの危険はなく、安全に観られた。たぶん薬物使用のシーンがあったりするからR指定度合いが上がったんじゃないか。

 

前髪短し、真っ白粉拭き顔のお婆様の姿がこちら。どうでしょう?怖いよ、って言われてるのに、どうしても観たくなりますね?ハロウィンに扮装したくなりますね?

 

観てる途中までは、あ、もしかして担任の先生が追い詰められて狂ってしまった晩年の姿がこの前髪短し、真っ白粉拭き顔のお婆様に繋がるのかな?と勝手に想像してた。違った。だって眼鏡のスタイルがちょっと似てたもんで。こちらはグラディス叔母さん。演じたエイミー・マディガンはアカデミー助演女優賞を受賞。いつもこのスタイルじゃなくて、お客様が来る時なんかにウィッグとメイクで整えてるんです。ノーメイクの時のグラディス叔母さんはエイミー・マディガンの確かな演技でシリアスみが全然違う。そんなとこも見所。

 

最高だったのが校長先生(ベネディクト・ウォン)。ギャンディ先生やアレックス家族に対して言わねばならない事は言いつつも、伝え方に配慮があったりしてとても常識的な校長先生。完全ネタバレですが、そんな真面な校長先生のその後の飛行機ポーズでの驀進ダッシュシーンの面白さには強烈ノックアウトを食らった。ありがとう。

 

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「でもさ、パンツは?」ナウシカお尻問題なんて、偉大なる傑作の前では遥か遠くに吹き飛ばされていたはずだったのに。

「風の谷のナウシカ」

 

 

ジブリアニメの傑作。

勇敢で可憐なナウシカの魅力がキラキラ莫大放出。ナウシカの飛行シーンの疾走感が素晴らしい。身体ごと風に乗っている感じがある。一人乗りの小型飛行具メーヴェがほとんど身体の延長みたいになっていて、風、スピード、音楽、背景が一体となって、超絶スピードの乗り物に生身の人間がそのまま乗るという飛行スタイルに全くの無理がない。

 

虫たちの造形が素晴らしい。久石譲の電子音楽、素晴らしい。オームのガラスドームを爆薬でボンッ!と外して持って帰るシーンが最高だな。と何度観ても楽しい。作品についてはもう褒めるばかりなので、今日はどうしても気になることだけ書き記しておきたい。

 

やっぱりお尻丸出しシーンが気になるよね。丸出しシーンが多すぎるからね。1回2回の騒ぎじゃない、もう繰り返しお尻見えるからね。

 

なんでパンツ履いてないの?っていうのは誰もが思うところだと思う。ただ、そんなものはこの壮大なストーリーの中のほんの少しの引っ掛かりであって、この民族の人たちは下着というものを身につけないのかなってことでスルーしてきた。

 

たぶん時代が進んだんだと思う。やっぱりこんなノーパンおかしくねえか?っていうのが今さらながらにもたげてきて、そしたら宮崎駿監督があれは生足じゃなくてベージュのタイツだと説明していたってことを知った。んな、バカな??と思ったら、最近すぐにしゃしゃり出てくるGeminiが解説してくれた。

 

「宮崎駿監督がベージュのタイツだと言い張るのは、確信犯的に生足(ノーパン)として魅力的に描いたのに、それを観客に下品な意味で突っ込まれて恥ずかしくなり、必死に誤魔化しているからです。宮崎駿監督は健康的で活動的な少女の肉体美を描く天才であり、ノーパンシーンもお色気目的ではなく、風を切って飛ぶ少女の野性的な躍動感を表現するために、あえて生足、あるいは下着をつけていない状態として確信犯的に美しく描いています。しかし、映画が公開されてオタク層から「ナウシカ、ノーパンだ」と性的な目線で大騒ぎされてしまいました。これに大慌てして監督は、自分のピュアな、あるいは確信犯的なこだわりをエロ目線で回収されたことがとにかく恥ずかしく、プライドが許せなかったため、「いや、あれは素肌じゃない、ベージュのタイツを履いている設定なんだ」という苦しい後付けの嘘、言い訳を言い張る形になりました。」

 

なんという身も蓋もない、宮崎駿監督を庇う気が1ミリもない解説なんだ。ベージュのタイツという釈明は受け流し、確信犯だと普通に黒認定。

 

もう長い事ナウシカを観ているから、ナウシカ本人は既に宮崎駿監督の女の子というところを越えてしまっている。ナウシカがいつの間にか作者の手を離れて、一人の人物として存在しているところまできているのだと思う。そのひとりの女の子がパンツも履かされずに何度も尻を丸出しにされることに、もう親族みたいな気分になって「おいおいおい?」という目になってきたんじゃないか。

 

これは自分が大人になったということも関係してると思う。『となりのトトロ』を観て「猫バスに乗ってもふもふしたいよう~、空からおばあちゃん達を見たいよう~」なんて楽しく観てたのが、いつの頃からか、まだ小学生のサツキちゃんが幼いメイちゃんにお弁当をこさえてママみたいにしてあげて、病気で入院してるお母さんがいるっていう事実に愕然とし、サツキちゃんだってまだほんの子供なんだ。ともう涙無しでは最後まで観られなくなってしまった。猫バスから見えた、おばあちゃんが「メイちゃーーーん」と呼び掛けるしゃがれ声に切実さを感じて苦しくなるようになった。いたいけな子供達の日々に病気のお母さんに対する不安や寂しさを感じてしまって、「田舎の森に行けばまだトトロいるかな?」なんてファンタジーは完全にウォッシュされたのだ。

 

これからもナウシカを観ると思う。「ナウシカ素晴らしい!しかしパンツは?」の気持ち、どうしてくれよう。もしかしてもっと年がいったら、パンツなんてどうだっていいの境地まで行ったりするだろうか。ありゃ完全にベージュのタイツだな、って別の見方になるかもしらん。

 

 

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失踪した村民達はどこ行った?「いんへるのいっただ」そんで、「ぱらいそさいくだ!」東北訛りインパクトに腹パンチを受ける漫画だよ。

妖怪ハンター 地の巻「生命の木」

諸星大二郎

 

 

妖怪ハンターとは諸星大二郎の描いた伝奇漫画のタイトルであり、主人公稗田礼二郎(ひえだ れいじろう)のあだ名でもある。そんな稗田礼二郎だけど、実は妖怪をハントする気は全然無いと見た。とにかく現場には現れる。

 

きっちり真ん中分けストレートロングヘア、ブラックスーツを着た稗田礼二郎(上画像の男)が日本各地に出向いて、異様だったり奇怪だったりする事例を調査研究する。民俗学や宗教学等幅広い知識を武器に、時に事件解決に向かうんだが、本業は考古学者。

 

プロローグで稗田礼二郎という人を紹介するページがある。

「なにか 他に 人間の知らないものが・・・ 気がつかないうちに ぼくたちの すぐ そばに いるかもしれない・・・とは思いませんか!?

たとえば ぼくの住んでいる近くの空地のゴミ捨て場に しばらく前 みょうなものがいたのです

それは 真っ黒いなんともいいようのないもので いつも じっと動かず・・・

足でつつくと モソモソと動くので 生き物らしいのですが・・・

二 三日観察してみたけど 物を食べるでもなく なにをする様子もありません・・・

死にかけていたのかもしれませんね」

いつの間にか見えなくなった、そういった得体のしれないものを追っているのが稗田礼二郎です、と。このプロローグのセリフだけでぞわぞわくる異質な空気が駄々洩れしているでしょう?そんな稗田礼二郎と一緒に読者を恐面白い世界に連れて行ってあげるよ、というシリーズ漫画。独特な絵柄が不思議の世界にマッチしている。

 

妖怪ハンターは全3巻で、第1巻にあたる『地の巻』に隠れキリシタンの不思議話『生命の木』がある。その中のセリフ「ぱらいそさいくだ!」が定期的に頭をかすめる。この言葉のインパクトが脳のどこかに引っ掛かっていて、時々ふっと浮かんでしまうんだと思う。で、かなり前に読んでるけど、すっかり忘れていたんで再読。

 

東北の田舎に「世界開始の科の御伝え(せかいかいしのとがのおつたえ)」と呼ばれる東北隠れキリシタンに伝わる聖書異伝があるという。これが東北訛りそのままに伝承されているんで、ゼウスは「でうす」、アダムとエヴァは「あだん」と「えわ」で話は進む。

 

聖書ではアダムとエヴァが知恵の木の実を食べて楽園を追われることになるが、異伝では「あだん(=アダム)」の他に「じゅすへる」というもう一人の人間がいて、じゅすへるは知恵の木ではなく、不死となる生命の木の実を食べる。

 

生命の木については聖書に記述があって、人間が善悪を知る者となったので神は生命の木に人間を近づけないようにした。このふたつの実を両方食べたら神と同じになってしまうのだ!と稗田礼二郎が解説。おそれた神はじゅすへるに「いんへるの(=インフェルノ=地獄)」へと引き入れる呪いをかけた。

 

隠れキリシタンの村には”はなれ”と呼ばれている地域があり、独自の暮らしをしていて、村の人々は近づかない。”はなれ”の村民は皆がみな痴呆だと言う。村の神父が言うには長い間近親婚を続けてきたせいだろうと。

 

で、稗田礼二郎が確信に迫っていくのだが、どうやらこの”はなれ”の村民はじゅすへるの子孫なんじゃ?という驚きの展開へ。じゅすへるは生命の木の実は食べたが、知恵の木の実は食べていない、、、だから?

 

”はなれ”の村民は不死なのか?「いんへるの」へ行くのは可哀想。「ぱらいそ(=パラダイス=天国)」行かせて、という味わい深いストーリーで、描き込みいっぱいのおどろおどろしさのある絵柄の雰囲気がこの不思議ストーリーにぴたりときている。稗田礼二郎の怪しい風貌もストーリーを盛り上げる。村に現れた稗田礼二郎が怪しさ100%のルックスで「わたしはあやしい者じゃない」と自己紹介するシーンには笑っちまう。

 

一話完結のストーリーが収録されていて、他もおどろ不思議系ストーリーなんだが、どれも日本が舞台になってるのがじっとりと湿った感じになっていてちょっと怖い。 癖になる漫画。

 

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恨み晴らさでおくべきかーーーー!若い女しか価値がないと思ってる、お前!覚悟しておき。

「サブスタンス」

 

 

どえらいもんを観た。

これはジャンルで言うとホラーにはなるんだろうけど、もうどうなっちゃってんだ!?っていう爆裂映画。お口ぽっかーんの強烈な仕上がり。

 

デミ・ムーア演じる、かつて大人気だったハリウッド女優のエリザベス・スパークルは50才。エリザベスの朝のエアロビクス番組は現在も継続していて、レオタードで元気いっぱい。現役感ありありのルックスなのだけど、番組プロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)に突然の降板を伝えられる。ハーヴェイが言うには、エリザベスが50才になってるんで”it”、何かを失ってるからって。要するにもう若くないんで、若い子に交代するんだ。

 

まぁ、そんなことをぬけぬけと言うハーヴェイの方も、とうに50は超えていそうだし、エリザベスとの食事中で、汚くエビやらを貪り食らうのを口元クローズアップにして、老いさらばえて相当な醜態を晒してる姿を見せるわけです。

 

デニス・クエイドがそんな嫌な男役で登場。ナイス配役。魚眼レンズ風演出でお顔のボテボテ感アップで嫌な感じを上乗せしてる。

 

で、向かい合って話を聞いてるエリザベスは50だろうが、流石のハリウッド女優で綺麗なんだよね。だけどハーヴェイはもうお構いなしで好き放題言うわけだ。女子トイレが故障中だったんで、エリザベスが誰もいないのをいいことに男子トイレに入ったら、ハーヴェイが携帯でエリザベスの事をもっと明け透けに扱き下ろしていたのも聞いてしまった。

 

「君は最高だった。」の言葉に打ちのめされるエリザベス。過去形であることは彼女にとっては単なる降板通知以上の破壊力を持つ。

 

ハーヴェイが忙し、忙しと去った後、ワイングラスに一匹のハエが溺れているのを見るエリザベス。グラスの中で手足をバタつかせてあたふたするハエは若さを失ってジタバタともがく、まるで自分。消費される女の美。若さを失っていく自分に何の価値も見い出していないハリウッド世界、あるいはそれに違和感を持たない者達の代表、ハーヴェイ。

 

失意のエリザベスは帰り路で事故を起こしてしまう。病院で診察を受けて怪我はなかったものの落ち込みぶりが酷い。若い男性看護師から何やら背骨をチェックされ、家に帰るとコートのポケットにUSBメモリが入っていた。それは若さと美しさ、より完璧な自分を得られる薬物「サブスタンス」を説明するものだった。

 

案内のあった怪しい廃墟然のビルに入っていくと、奥には綺麗に整えられたロッカー室。「503」のカードキーを開けると「サブスタンス」ファーストキットの箱が用意されていた。エリザベスは禁断の薬物に手を出した。

 

「サブスタンス」の入手で携帯で知らぬ人と話はしたのだけど、エリザベスは誰とも会っていないし、どういったものかもわからないまま。でも手を出す。得体の知れない謎の薬物を自分の体に注入しようっていう、その貪欲さ、警戒心薄め。このキットのデザインがおしゃれで怪しさゼロっていうこともあって、ハリウッド女優ならばお顔のメンテナンスで色々やってるだろうから、敷居が低いのかもしれない。

 

自宅で注射を打ってみて、鏡をチェック。なんだぁ、、、と思ったところに激痛!背中がぱっくり割れて、中からピチピチ、パツパツの新しい私の誕生!マジ、パツパツです。

 

「サブスタンス」ルールで二つの体は7日交代で活動。一方が活動中はもう一方は意識ない状態でお休み中。母体であるエリザベスの体から注射器で体液を吸い上げ、1日1回新しい体に注入。それを維持しないと鼻血出てきて意識朦朧としちゃうんで、取り扱いは慎重に!

 

ピチピチの新しい方は「スー」と名乗って、そうだわ!とエリザベスの後任者のオーディションへ出向く。見事なピチピチ、パツパツぶりで合格!一新されたフィットネス番組に登場したスー(マーガレット・クアリー)は、その弾ける魅力と朝っぱらからのエロ風味で味付けしたエクササイズ具合で大人気になっていく。ヴォーグの表紙にも選ばれるし、大晦日のスペシャル番組のMCにも抜擢される。もう7日じゃ活動時間が足りん。さぁ、どうなるん?というぶっ飛びストーリー。

 

エリザベスが素敵に装ってデートに出掛ける間際、大きな窓から見えるスーの広告看板を見て、これじゃダメだとやり直す場面がある。チークと口紅を濃くしたと思ったら全部落としてみたり。エリザベス自身も若い美しさに囚われていて、自身の美しさに納得がいかなくなっている。いや、十分に美しいのにまるで見えていない。胸元がシャープに開いているドレスがよく似合っていたのに、急に胸元にスカーフをあしらって、年がいっている自分の体をみっともないとさえ感じて隠す。もう痛々しくて見てられん。

 

本作は生々しさの強い演出が素晴らしくて、カクテルに添えられたオリーブの実をスティックでぶっ刺してグロテスクに潰れる様だとか、卵の黄身がぶにゅっだとかの視覚効果がスタイリッシュな画に納められている。生々しい質感のものをじっとりした雰囲気でなく、クリアでカラフルな色彩で魅せるバランスがよくて、グロシーンも多いのだけど、それでも画がきれい。監督が相当に拘って色彩と画角をコントロールしていることが窺える。シンメトリーを多用、エリザベスの家のインテリア、エリザベスの黄色いコート、ホラーには珍しいポップな色合いで統一されている。

 

で、ラストに向けて血しぶきがこれでもか!のシーンがあるのだけど、理屈で考えたら「身体のどこにそんな量の血が入ってんだよ!」というレベルの尋常じゃない量の血しぶき。物理法則をぶっ壊して、美しさのために身体を壊し続けた人間の最終形態を、ほとんどマンガみたいな描き方にして突き抜けていく。

 

もう、真っ赤も真っ赤!血しぶきで画面が真っ赤っか状態に。

恨み晴らさでおくべきかーーー!これ、どういう映画?もう笑っちゃう。これどう収拾つけるよ?と悪ノリとも言える豪快な思い切りの良さ、この映画のぶっ飛び具合に感服するしかない。若さや美を失った者への気ままで辛辣な冷遇に対して、ざっけんなー!!という血しぶき浴びせ。後でこれが女性監督によるものと知り、深々と頷き、申し訳ございません!と平謝りすることになるでしょう。

 

そして、視聴者はスーのそのプリプリの肉体の素晴らしさに否応なしに目を奪われるわけだけど、実はその肉体は演じているマーガレット・クアリーの体にシリコン製の人工ボディを接着して、人々が望むであろう”スーパーセクシーカーブ”を持つパーフェクトな体に偽装されているのだ。しかも特殊シリコンは体だけでなく、頬骨や顎先にもプラスされ、完全なる理想の女になるべく整えまくられていたという。

 

スーの美しいカービーボディを見てエリザベスが落ち込むのもやむなし。とこちらも納得しそうになるのだけど、そもそも元バレエダンサーで美しい肉体を持つ若く美しい女優を連れてきてもなお足りず、シリコンスーツで肉付けしなければ完成しないファンタジー世界の完璧さだったのだ。現実の女性ではないのだ。マーガレット・クアリーはシリコンの長時間の装着と特殊メイクの接着剤による体と顔の肌荒れに悩まされ、回復するのに1年掛かった。この映画製作プロセス自体にエリザベスの陥っている完璧な美への改造と引き換えの代償があるという二重構造。ぶるっときますな。

 

主要人物はデミ・ムーア、分身のマーガレット・クアリー、プロデューサーのデニス・クエイドくらい。シンプル配役でここまでコテコテに濃い&ポップなホラーを成立させたコラリー・ファルジャ監督は脚本も担当。濃いはずだ。

 

実はこの映画を観ていて、以前に観た短編映画『リアリティ+』と設定は同じだなと思い出したら、それもコラリー・ファルジャ監督の作品だった。そちらは可愛らしい映画だったんで、同じ設定であってもこんな豪快ホラーに落とし込む監督の手腕、恐るべし。

 

『リアリティ+』のレビューはこちらをどうぞ。

wolf-yo.hatenablog.com

 

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『スター・ウォーズ』シリーズまとめ:どんだけ拡げる、もうわからん。の声は遠くへ飛んでった。輝くスペースオペラ!

☆映画レビュー300記事突破企画☆

名作シリーズまとめ

 

好きな順番で書いているんですが、シリーズもののレビューが揃ってきたので一旦整理プラス追記でまとめます。

 

第5弾は映画史上でキラキラと夢を振り撒く『スター・ウォーズ』にしますぜ!!

 

 

◎シリーズのみどころ

ジョージ・ルーカス制作の大ヒットスペースオペラ。最初の公開が1977年。その後続編が2作作られて、長い年月が経過してから、さらに3作を制作。悪のダース・ベイダーがどうして悪の道へと突き進んだかをこれらの3つのエピソードで明かしていくってことで、ダース・ベイダーの子供の頃からの話になる。たくさん作り過ぎてわからなくなるんで、先に制作した3つは旧3部作と呼ばれて、急にエピソード4、5、6と番号を振り直される。後で作った3つはエピソード1、2、3と番号振り。

 

その後さらに3つのエピソードが生まれてエピソード9までとなり、さらにスピンオフ、テレビシリーズと拡大。さらにさらに新シリーズが始まるという、自分的には既にもうどうでもいいや状態に入ってはいるが、観れば観たで楽しめるんだと思う。

 

みどころはなんと言っても、見たことのない造形のてんこ盛り。宇宙の姿、乗り物、衣装、クリーチャー、スクリーンセーバー。刀で戦うのがやっぱりいいですな。

 

■ エピソード1

ダース・ベイダーの子供時代、アナキン・スカイウォーカーの話。最初はいい子だったんだ。お爺さんだったオビ=ワン・ケノービも若い頃から始まる。オビ=ワン・ケノービのさらに師匠クワイ=ガン・ジンがいて、緑色の小さいクリーチャー、ヨーダもお爺ちゃんぽかったのが、本作ではなんか若い。

 

レビューはこちら。

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■ エピソード2

子供だったアナキン・スカイウォーカーが成長、青年期に入る。1で仲良くなったアミダラ姫と恋に落ちる。まだまだよいこのアナキンだけど、ちらりちらりと悪の気配が。

 

レビューはこちら。

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■ エピソード3

アナキン・スカイウォーカー3部作の最終章。アナキンが悪のダース・ベイダーになる結末はとうの昔から分かっているわけで、アナキンがどうして悪の世界へと足を踏み入れてしまうのか、そこが一番知りたいところ。だけど、ゆらゆらふわふわしてる中、突如悪い子になる印象。ちょっとびっくりする。

 

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■ エピソード4

後付けの番号振りで4番目のエピソードに位置付けられてしまったが、そもそもの第1弾。やっぱりこれが一番好きなんだ。

 

レビューはこちら。

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■ エピソード5

緑色の小さいクリーチャー、ヨーダ様登場。マペット感ありで可愛い。レイア姫とハン・ソロの距離縮まる、ダース・ベイダーの正体バレるの巻。

 

レビューはこちら。

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■ エピソード6

新クリーチャー山盛り。子熊族登場で一緒に戦うことに。さらば、ヨーダ。

 

レビューはこちら。

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エピソード7以降もチラ見したんだけど、ちょっとノレなくて放置なんだ。。。超新作の『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は、小さくて目がクリクリした新クリーチャーが可愛いと評判らしいな。セサミストリートの動かし棒丸見えのマペットでも可愛さを感じる私なんで、CGじゃなくてリアルマペットで撮影したっていう新クリーチャーのちっこい子供のことはきっと好きになりそうな予感。

 

もし観たことない人がいるならば、エピソード1から観るより、エピソード4~6、1~3、7~9の制作年順に観るのがいいです。

 

 

◎番外編

ハン・ソロ役で大人気となったハリソン・フォード。その後数多くの映画で主役を張る大スターに。『インディ・ジョーンズ』シリーズの娯楽活劇でアクションいっぱいの考古学者役から、ド真面目映画のしっとりした役から、そりゃもう色々演じてるんだが、中でも外せないのは『ブレードランナー』のデッカードでしょう。

 

■ ブレードランナー

不良レプリカントを追う捜査官のことをブレードランナーと呼ぶ。ブレードランナーのハリソン・フォード演じるデッカードとレプリカント達を廻る近未来ストーリー。

 

ざわついた未来都市のセット、レプリカント達の容姿、シンセサイザー音楽の巨匠、ヴァンゲリスによる耳に残る音楽。同じSFでも、スター・ウォーズのような宇宙戦争の派手さとは違う。酸性雨の降る中、しとしとと物語が進む。

 

レビューはこちら。

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■ ブレードランナー 2049

『ブレードランナー』の続編が35年後に制作されるという驚き。しかもデッカード役のハリソン・フォードがそのまま年老いたデッカードを演じる。35年前、レプリカントのレイチェルと逃避行したデッカード。気になるふたりの行方の他に、新しい主役のブレードランナー役がレプリカントだという斬新な設定に驚いた。大ヒット映画の続編にはがっかりさせられることが多いが、本作はオリジナル版のレプリカントの哀愁と「人間とは?」を問うエッセンスをきちんと継承したままに、新たな味付けと美しい映像で成功しているのだった。

 

レビューはこちら。

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■ デビル

ハリソン・フォードはいい人役が似合う。悪役も出来るけど、やっぱりいい人役をやってほしいんだ。本作でのハリソン・フォードはバリバリのいい人で安心の警察官役。若きIRA隊長でテロを企てようとするブラピを正しい道へと導くことができるのか。

 

レビューはこちら。

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■ 刑事ジョン・ブック 目撃者

刑事役。ハリソン・フォードは刑事役が多いと思う。美しいアーミッシュ未亡人のケリー・マクギリスと共に悪徳警官から逃れるために、一時アーミッシュ暮らしをするという変わり種。銃を持ち合わせていなかったピンチのハリソン・フォードがアーミッシュ農場で工夫して敵を始末していくシーンは見もの。若い頃のヴィゴ・モーテンセンがアーミッシュ青年役で登場。

 

レビューはこちら。

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■ フランティック

学会出席のため、夫婦でパリに出向いた医師のハリソン・フォード。スーツケースを間違われたことが原因で妻が誘拐されてしまうのだが、パリ警察のテキトーぶりに困る。間違えられたもうひとつのスーツケースを持っていた謎のフランス女、エマニュエル・セニエと共に妻の行方を追うことに。

 

ロマン・ポランスキー監督らしいムードいっぱい。謎の女、エマニュエル・セニエの可愛くも妖艶な魅力も手伝って、ずんずん引っ張られていくサスペンス。ハリソン・フォードがエマニュエル・セニエと恋人のようになっていくのだが、”いい人”風味山盛りのハリソン・フォードなので、奥さん誘拐されてるのに何してんだ??とならないところがすごい。

 

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『007』ダニエル・クレイグシリーズまとめ:超シリアス路線の新ボンド誕生。野性味にペイルブルーの瞳のギャップで観る者を惑わすウルトラガイ。

☆映画レビュー300記事突破企画☆

名作シリーズまとめ

 

好きな順番で書いているんですが、シリーズもののレビューが揃ってきたので一旦整理プラス追記でまとめます。

 

第4弾は映画史に堂々と君臨する『007』のダニエル・クレイグシリーズにしますぜ!!

 

 

◎シリーズのみどころ

元々、007シリーズは王道スパイものとして、最新の武器やガジェットを提供された英国諜報部員が悪を成敗する大娯楽映画。主役のジェームズ・ボンドが粋な英国紳士でモテモテなんで秒速で女と寝るっていう軽やかさに華とリアリティを持たせるスーパー美女軍、その名もボンドガールも大きなみどころのひとつ。

 

何度も変わってきたジェームズ・ボンド役だが、ダニエル・クレイグが配役された時、今までの007風味がかなり変化した。「そんなバカな!」がいい具合に溶け込んでいた華やかなスーパー娯楽映画が、華やかさはそのままにスーパーリアル路線へと変貌。超絶かっこいいジェームズ・ボンドが誕生したのだった!

 

そして忘れてならないのは、ボンドの上司であるM。前任ボンド俳優のピアース・ブロスナン版からのジュディ・デンチ。Mが女性に?との驚きとどうなるのか?との戸惑いを完全に吹き飛ばしたジュディ・デンチが貫禄たっぷりで、シリーズ中でどのMが一番かと聞かれたら、迷わずにジュディ・デンチと言う!

 

■ ダニエル・クレイグ 1 『カジノ・ロワイヤル』

そんなド変貌ジェームズ・ボンドを知らしめた第1弾。採寸箇所どんだけ細かいんすか?と質問したくなるほどにぴたりとフィットしたボンドのスーツ姿がとにかく決まり過ぎ。やっぱりスーツってのは一番男をかっこよく見せるんだな、と世界中の男達を納得させたに違いない。

 

いつもボンドガールズと楽しく過ごしてきたボンドが一人の女を愛するという姿にも驚きが。そうだよね、秒で寝るとか完全に映画のファンタジー世界のことでした。そんな、さっき会ったばっかりの女と秒で寝るとか隙見せたら危険だよな。

 

悪役マッツ・ミケルセンの冷たい眼差し、強烈ボンドガール、エヴァ・グリーンの美貌も最高。

 

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■ ダニエル・クレイグ 2  『慰めの報酬』

エヴァ・グリーンを死に追いやってしまったと前作から傷を引きずるボンド。こんなボンドやっぱり今までなかったんじゃ?

 

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■ ダニエル・クレイグ 3  『スカイフォール』

ジュディ・デンチMが狙われる。親子然のボンドとM。強敵ハビエル・バルデムとの壮絶な闘いが始まる。おじいちゃんのイメージが強いQが若返りを図るという新設定も。

 

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■ ダニエル・クレイグ 4  『スペクター』

急に悪の軍団スペクターの親玉がボンドの義兄って言い出してびっくりする。以前の007では白いペルシャ猫撫でてる変人で、全くの他人だったんだ。新設定になんかげんなりする。なぜならダニエル・クレイグシリーズはスーパーリアル路線でやってきたんじゃなかったのか。どこか旧作シリーズの匂いを感じた4。Mがレイフ・ファインズに代わる。

 

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■ ダニエル・クレイグ 5『ノー・タイム・トゥ・ダイ』

ダニエル・クレイグ版ボンドの最終章。実はまだ観てないんだ。え? これは完全に4の続編っぽいぞ。

 

 

◎番外編

 

007シリーズはなんやかやと観てはいたのだけど、実は真剣に観たのはダニエル・クレイグ版が初めてだったようにも思う。それまではゆるゆると気楽に観ていたのが、ダニエル・クレイグ版だとゆるゆる観る感じじゃなくなったんだよね。でもまぁ、ゆるゆると観ていたわりには、小さいストーリーとか敵キャラでも印象深かったりするのが007シリーズの凄さだと思う。

 

最近一番古いショーン・コネリー版を観たら、現代目線だとテンポが若干ゆっくりめではあるんだけど、あぁこれはド・ストライクの大娯楽映画だなって、みんなに愛されてきたシリーズだってことがよくわかったよ。

 

かなり釘付けになってしまうのが、古い時代の007に出てくるボンドガールがそりゃ綺麗で、ちょっと2度見、3度見の世界。日本の古い映画に出てくる女優陣の美しさに驚くことがよくあるけど、やっぱり現代人は何かを置いてきちゃったんかな。ファッションにエレガンスがあることも美しさが倍増する秘訣なんだと思う。

 

■ ショーン・コネリー版 『ドクター・ノオ』

全007シリーズの第1作目。年齢がいってからの渋優しいショーン・コネリーに馴染んでいたんで、黒髪きっちり(カツラだったらしい)のコネリーの濃さにおや?と思うんだが、すぐに慣れた。個人的には『レッド・サン』での麗しい美女ぶりに衝撃を受けたウルスラ・アンドレスが堂々のボンドガールで登場していて嬉しかった。

 

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■ ショーン・コネリー版  『ゴールドフィンガー』

次々現れる美女達、秒速で寝るボンド、ポンポンと死にゆく女達。全身金粉殺人の絵面インパクト!脱力系007。

 

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