「マルチプル・マニアックス」

大・変態映画。
「悪趣味の帝王」の異名を持つカルト映画監督、ジョン・ウォーターズの代表作『ピンク・フラミンゴ』のテスト版みたいな。
『ピンク・フラミンゴ』は世界一下品なのは誰か?を競うというストーリーの、これも大変態映画。ドラァグ・クイーンのディヴァインが主演。本作でもディヴァインが主演で脇役陣もほとんど同じ顔ぶれという。ただ、こちらはなぜかモノクロ。ディヴァインの魅力も出るし、カラーの方がよかったんじゃないかな。
『ピンク・フラミンゴ』のディヴァインは独特のメイクアップで、完成されたショウアップスタイルだけど、本作のディヴァインは案外と普通の女性っぽい。って、もちろん普通ではないんだけど、ドラァグ・クイーンというよりもメイクが濃い大型女性という感じ。知らなかったら本物の女性に見えると思う。
だって、『ピンク・フラミンゴ』のディバインがこれだもんでよ。極端に釣り上げた眉のラインが特徴的。もう眉線無視。まろ眉的におでこに鋭角な線を描いちゃってる。金魚みたいな赤いドレスもいいね。

公園みたいなところに張られた怪しいテント。いらっしゃい、変態一座のショウですよ。すごい見世物小屋だから見て行ってよ、完全無料です!と客引きの男に誘われ、ゲロ食べ人間とか、全裸組体操とか、禁断症状に苦しむヘロイン中毒の男なんかを見せられる。
下劣だわ、キモイぜ、なんて眉をしかめつつも見てたお客。オオトリはディヴァインが登場。へぼい幕が開いてディヴァインが登場した途端に、観客達は頭から網が掛けられてみんな捕まってしまう。そうそう、タダほど恐いものはないって忘れちゃだめだね。
ディヴァイン変態一座は完全無料ショウで客を引き寄せて、金品を奪うちゃちな犯罪者集団なのだった。ディヴァインなぞはお楽しみで殺しもしちゃうという悪の人。
で、客引きをしてた男がディヴァインの内縁の夫で、実は他に女がいた。出会った頃は単純な万引き犯だったディヴァインの犯罪がエスカレートしているし、もうディヴァインのことが嫌になったと浮気相手に話したら、愛してるから殺してあげると。
あんたの旦那、別の女と逢引きしているよ。のタレコミ電話でディヴァインは浮気現場へ向かうんだけど、途中でいろんなことがあり過ぎて(お下劣過ぎるので割愛)こちらも浮気相手諸共殺してやるってなる。
と、男女の痴情のもつれがあったりはするんだけど、ストーリーなんてあってないようなもの。とにかく悪趣味の数々をどうだ!?とばかりに、これでもかと見せてくる。ディヴァインの罪の意識なのか神罰なのかわからんのだけど、罪を重ねるディヴァインはロブスターの怪物に襲われる。モノクロ映像なもんだから、急に出現した化け物に巨大ゴキブリかと思って、寒気がしたよ。ロブスターだから赤かったと思う。やっぱりカラーの方がよかったんじゃないかな。
映像的には素人がただカメラを回してるだけみたいな雑さで、ヘタ過ぎてびっくりした。笑えるけど、グダグダなんだが?の呆れ気味の笑いが多いかな。カルト映画だから気になるとは思うけど、これはパスしてもいいみたい。
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同じジョン・ウォーターズ監督でも、こちらは安心して観られるファミリー犯罪コメディだよ。映像もちゃんとしてるよ。
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