物語のかけらを見つけに
三鷹市美術ギャラリー
2026年

展示ポスターより『はんなちゃんがめをさましたら』
絵本作家の酒井駒子、写真家の齋藤陽道、水彩画家の成瀬麻紀子の展示。
三鷹市美術ギャラリーは三鷹駅からすぐ。駅前の商業ビル「三鷹コラル」の5階にある。会場は大きくはない。私は酒井駒子の原画が観たくて行ってみた。
酒井駒子は『はんなちゃんがめをさましたら』『ぼく おかあさんのこと・・・』『ビロードのうさぎ』『橋の上で』4つの絵本の原画が展示されていた。
『はんなちゃんがめをさましたら』が最高だった。
幼いはんなちゃんが皆が寝静まった夜に飼い猫と一緒に家の中で色々と楽しむ話なのだけど、とにかく酒井駒子の描くはんなちゃんの可愛いらしさがじわじわと沁み出している。小さい子の頼りない肩、おぼつかない足取り、頭が大きくて倒れてしまいそうな子供特有の身体バランスが可愛すぎる。あまりの可愛さに原画の前に立って地団太踏みそうになり、酒井駒子の絵の魅力でおかしくなりそうだった。。。ヤバい人一歩手前だった。
絵本の内容の紹介はさらっと書かれてはいたのだが、原画の展示のみで文は添えられていない。それでもストーリーがすっと入ってきた。
父、母、小さい姉は皆寝ている。はんなちゃんは姉と一緒に寝ている人形をそっと取り上げる。いつもは貸してもらえない人形なのでしょう。姉の向こう側にある人形を取ろうと、小さいはんなちゃんが目いっぱい腕を伸ばす絵が本当に可愛らしい。
猫と一緒に階段を下りるはんなちゃん。幼すぎるはんなちゃんと猫の大きさの差があまりないくらい。相棒感。子供には階段の一段が高い。確実に降りていくはんなちゃん。はらはらしますな。
猫と一緒にトイレにも行く。はんなちゃんは跳び箱を飛ぶみたいなスタイルでやっとこさ便器に跨っているのが可愛い。猫も猫砂の上で一緒にトイレ中。
冷蔵庫を開けてさくらんぼを手に取る。このさくらんぼの絵がもうとんでもなく美味しそう。冷蔵庫内の他のものはさらっと描かれているのだけど、さくらんぼとはんなちゃんの手だけがしっかりと彩色されていて、つまみ食いしようとするさくらんぼとはんなちゃんのわくわくが強調されているのだ。自分が子供だったら、このページが大好きになると思う。
猫には牛乳をあげて、はんなちゃんはさくらんぼ一粒を口につけるのだけど、その姿勢がしゃがみポーズ!これが子供の体重の軽さ、頭が大きくて、ころんとバランス崩してでんぐり返っちゃうようなアンバランスさが感じられて、異常な可愛さを放出。激可愛い。
そうそう、お姉ちゃんの人形には開いた本をふとんに見立てて、掛けてあげる。これも可愛い。と、可愛いの連続で、原画の前で「あわわわわ」と衝撃に耐えたけど、相当にヤバい状態になった。
可愛らしさとは違う、酒井駒子の絵の静かな美しさで魅了されたのが『橋の上で』。文がないので、どうしたんだ?と思いながら順に並んだ原画を観ていくのだが、これは橋で死のうとしている?よね??とかなりショッキング。
男の子が何やら橋の上で下を見ている。そこに浮浪者風のお爺さんが現れて何か会話。その後、お爺さんは男の子の死を止まらせて、でも自分は死んでしまったのか?気になるので、絵本を読んでみようと思う。
三鷹市美術ギャラリーには以前に来たことがあって、展示スペースが前よりも小さくなっていないか?と思った。たぶん、そう。
だって、こんな玄関が出来上がっていたんだ。太宰治展示室。

家族と暮らした終の棲家が三鷹だった太宰治。受付スタッフに太宰の家を移築したのですか?と聞くと移築でなくて、再現してみたということだった。玄関の他には六畳間が一室。他は初版本等の資料を展示した部屋。
六畳間には靴を脱いで上がってよし。靴を脱ぐのが面倒で横から見ただけだが。

物憂げな顔の写真イメージが強い太宰だけど、こんな優しい笑顔の家族写真が。三鷹の自宅縁側で子供達と寛ぐ太宰。

受付スタッフの人々が人懐こくて世話を焼いてくれる。記念スタンプを是非押して。と言うので、素直にポン。太宰がさくらんぼを手にしている。インクもさくらんぼ色。家族のストーリー、短編『桜桃』からと思う。

↓応援ボタンです。よろしければ~
![]()





























