え、イモータン・ジョーへの恨みはどこに??その熊のぬいぐるみ持ってる男、誰?

「マッドマックス:フュリオサ」

 

マッドマックスシリーズの第4弾だった前作の爆裂映画『マッドマックス 怒りのデスロード』の爆裂ヒロイン、フュリオサの前日譚。怒れるマックスという主人公は登場せず(一瞬だけ映ってるって)、フュリオサが主人公という、”マッドマックス”なのに?の映画なんだけど、そこは全然問題にならない。なぜなら、前作に初登場したシャーリーズ・セロン演じるフュリオサが主人公マックスよりも俄然光っていたからだ。だから輝くフュリオサが主人公のマッドマックスを作ることには納得だし、すごく楽しみにして観た。

 

で、「あれ?なんか。。。思ってたのと違う。。。」これが率直な感想。

 

どうも話の展開が遅い。フュリオサが恨みを持ってる。そうだよね、イモータン・ジョーだろ?いや、それが違うのだった。

 

前作でフュリオサはイモータン・ジョーという絶対支配者の率いる砦=シタデルからイモータン・ジョーの若い妻達を連れて逃走を計っていたわけだから、本作で子供時代のフュリオサがバイク軍団に連れ去られてしまうくだりでは、当然イモータン・ジョー軍団に浚われたんだと思って観てた。でもボスがイモータン・ジョーにしては見た目が違うな?若い頃だから??なんてぼやっと観てしまっていたよ。

 

でもしばらくしたら、まんまイモータン・ジョールックの人が出てきて、あ、別人でした!みたいな。

 

こちらイモータン・ジョーご本人。若い時からバッチリとイモータン・ジョーフェイス。ポリシー!

 

じゃあ、フュリオサを浚ってたの誰?なんだけど、それが新キャラのディメンタスさん。クリス・ヘムズワースが演じていたんだけど、砂漠地帯で活動しているから、かなりむさ苦しかったりとモサモサぶりが激しいんで、全然気付かなかったっていう。

 

このディメンタスがイモータン・ジョーみたいに軍団を率いていてシタデルを襲って交渉を仕掛けるのだけど、完全にイモータン・ジョー軍団の方が格上。イモータン・ジョー軍団には無鉄砲ウォーボーイズもいるしね。適わないね。

 

敵わなついでに、浚って自分の娘として側に置いてたフュリオサを一目見たイモータン・ジョーが気に入って「本当の娘じゃないし、よこせ。」とあっさりとイモータン・ジョーの元で暮らすことに。将来の妻ってことなんだけど。

 

フュリオサは妻達用エリアにいる優しいお姉さん達と一緒に暮らし始める。で、お姉さんが子供を出産するところを見て女が出産マシーンにされてる過酷な現場だと感づく。まだ幼い少女のフュリオサだからイモータン・ジョーがすぐにどうのとかないではないみたいだと観てる方はとりあえず安堵したのに、息子の一人がフュリオサの髪を触ったりしてヤバし。

 

で、フュリオサは即席カツラを自作して(!)そいつの魔の手から逃げるっていうアイデアが斬新。逃走した時に飛んでったカツラが枝に引っ掛かって、その枝がぐんぐん伸びて持ち上がる。それで年数の経過を表現するっていう不思議ぶりに、これ後で象徴になる何か?と気張ってたけど、何のフックでもなかった。ただのカツラ伸び。

 

カツラ逃げしたフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)は男の振りをしてシタデルでメカニックとして働いていた。なんやかやあって、大型トレーラー「ウォータンク」の凄腕ドライバーで警護隊長のジャック(トム・バーク)と出会って、襲ってきたディメンタス軍団との戦い中に頭に巻いてたターバンが取れてしまい、ロングヘアをジャックに見られてしまう。女だってバレるけど、「理由は聞かない」し、フュリオサが超優秀な戦い手だったんで、一緒に組もうってことになる。

 

この日からフュリオサはロングヘアを隠さなくなる。そしたら、あんた誰?とかイモータン・ジョーの妻にするってことにならないのか?おでこにグリースベタ塗りしてるから、周りの人は女だってまだ気づいてないってこと?女であることが超不利だった世界はどこいった?フュリオサはそんなの凌駕したってことか?美少年ってことか?そんな疑問は置いてけぼりで進む。

 

で、フュリオサはディメンタスへの復讐に向かうんだけども。で、最後には前作に繋がる若妻達引き連れ逃走のところまで行くのだが。

 

この引き連れの前に、フュリオサは自分で髪を刈って前作の超短髪スタイルにするんだけど、これはフュリオサの決意なんだな。女だってバレる危険があるのにロングヘアを保っていたフュリオサに、なんで?と思っていたんだが、女というアイデンティティを残していたのかもしれない。もう、アッタマきた!の決意の時に頭を刈る。

 

思ったのと違うと戸惑ったのは、イモータン・ジョーのことはどうなんだ?っていうところ。イモータン・ジョーのことはそれほど恨んでなかったみたいに見えた。ディメンタスへの恨みだけ。フュリオサは前作でイモータン・ジョーにメラメラきてたような?

 

それに、前作ではザ・暴君って感じだったイモータン・ジョーが、今作では大勢を率いる真面で思慮深い人物にさえ見えているんだ。どうなってんの、これ?

 

あれかな、イモータン・ジョーって白塗り&大型マスクで顔がほとんど隠れちゃうから、それだと配役が難しくてスター俳優をキャスティングしづらい問題があったのかな。で、新キャラでクリス・ヘムズワースを配したという感じか。

 

配役についてはジャック役も別の人がよかったんじゃないかと勝手に思う。ごめんな。ジャックもおでこにグリースベタ塗り顔だから、それが似合う人を第一にキャスティングしないといけないよ。トム・バークはハンサムガイだけど、お顔立ちがいわゆるアバター顔の人なんだよね。だから、このデコメイクすると目元が引き立たなくて、もう表情が見えなくなっちゃうというか。この役、相当にかっこいい役だったから、このデコメイクが映える顔立ちの人だともっと痺れるシーンが多くなったんじゃないかな。折角かっこいいシーン多いのに、顔見えないんでね。フュリオサ役のアニャ・テイラー=ジョイの目力が強くてデコメイクが嵌ってたんで、それに並ぶ配役だったならば。

 

脇役にもパッとする人がいなくて、そんなとこも前作のウォーボーイズのニュークス、若妻らのキャラ立ちに比べて見劣りしてる。前作はかなり出来が良かったら前作と比べるのは無しなのかもしれないけど、やっぱり期待してしまうよね。

 

ウォーボーイズ達があれだけ洗脳されてしまうイモータン・ジョー支配下の流れなんかも描かれると思ってたのも、肩透かしと感じたところか。

 

でも、マッドマックス世界の独特ビジュアルはしっかりと表現されていて、ディメンタス軍団がシタデルに攻撃に行った時、ディメンタス軍団のバイクが砦に引っ掛けられてくるくると回っちゃうシーンとか、ロード対戦とか、そういうマッドマックス風味がちゃんとしてるところは楽しいし、迫力あり。だから、あれ、思ったのと違うというのはあったにしても、アクションロードムービーとしては完全に成功している。フュリオサが追い詰められてディメンタス軍団のバイクが砂漠で円を描いて延々と周り続けるシーンがあるけど、おいおい、今ガソリン不足でみんなで奪い合ってるんじゃなかったのか?の狂ったヒャッハー祭もマッドマックス的不条理世界で正解。

 

前作『マッドマックス 怒りのデスロード』のレビューはこちらを。

wolf-yo.hatenablog.com

 

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