「インセプション」

人の夢の中に入っていって、そいつのアイデアを盗む商売があるという。なんかよくわからんが、大きいボタンのついた機械があって、それにコードで繋がってる人達が夢に入り込む。この辺りはどうやって?とかなくて、そういう設定ってことで進む。
自由に夢の舞台を設計。パリの町並みが奥から立ち上がってくる映像を見せられて、そうか、なんでもできるんかと観ている者を納得させる映像パワー。

この商売の凄腕コブ(レオナルド・ディカプリオ)は実業家サイトー(渡辺謙)から、アイデアを盗めるなら、夢に”植え付け”も出来るのでは?と持ち掛けられる。
シェアを独占するライバル会社の跡取り息子ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)に”植え付け”をして、会社をぶっ潰したいと。とんでもねーな、サイトー。もちろん非合法でヤバい。でもコブは妻殺しの容疑が掛けられていて幼い子供達と会えないのをサイトーがなんとかしてくれるって言うんで乗ることに。サイトーはお金もたんまりあって作戦実行の費用も掛けられるしで、コブは仲間を集めて大掛かりな夢への”植え付け”作戦を開始。
夢って見ている時はそれが夢だって気付かない。それを利用して、人の夢にチームで横入り。しかも、夢の中でさらに夢を見るっていう仕組みにして、これは夢?っていう違和感自体が起きないように慎重に作戦が組み立てられていく。フィッシャーへの作戦では念には念を入れて、夢の入れ子方式を3階層にすることに。「これ夢じゃね?」と気付いて起きても、まだ夢の中。さらに「これ夢じゃね?」と気付いて起きても、まだ夢っていう訳わかんなさ。
ぶっ飛んだ設定であるため、お約束事がてんこ盛り。これについてこれないと、は?となってしまうのだけど、わからない事がゴロゴロしててもそのまま観るべし。夢の階層ごとに時間の流れが違うとか、無重力になっちゃうとか、夢の途中で死ぬと虚無に落ちるとか。でも、とにかくのるのだ。面白いから。わからなくても、のれ。
どうしてかと言うと、ぶっ飛び設定を理解しやすいように配慮されてる。優しいね、ノーラン監督。そうこなくちゃな。あれ?今どうなってる?となってもストーリーが後から追い掛けてくるから大丈夫。
第1階層のバンのドライバーがインド人で見分け。顔が濃すぎるから、この人が見えたら第1階層ってわかりやすい。
第2階層では素敵なホテル内。ここが一番ユニークで他の階層の影響を受けまくって、ホテルの廊下が無重力状態になってしまう。そんな異常空間で仲間のアーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が大活躍。無重力状態で敵との闘い。寝ている皆を運びやすいように、コードでくるくるひとまとめにするのが面白かった。

で、第3階層が頭おかしいのか?の、なんでわざわざ雪山を設計するんだよ?の場面。それはね、雪崩とか派手な崩壊を描きたいからなんだよね。しかも雪景色だから見分けがしやすいようになってる。
色々あり過ぎて、第4階層まで落ちていったんだね。そこにね、コバヤシいたーーー!(ユージュアル・サスペクツ)血も涙もないフィッシャーの父親役。ここは夢だからもう意地悪言わないんだね。息子泣いてたね。よしよし。
渡辺謙の役はいいね。途中で撃たれてお休みモードに入るけど、印象的なシーンをしかと押さえてた。冒頭、ゴージャスオリエンタルな内装の部屋で現れるんだけど、東洋の重厚さがいい具合に出て、渡辺謙を魅力的に見せてた。
他、脇役陣も皆が皆魅力的で良い。特にすっきりフェイスでテキパキ動く、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、建築の秀才学生、エレン・ペイジ(=エリオット・ペイジ)、御曹司感溢れるキリアン・マーフィー。
とんでもプロットを圧倒的な映像世界で魅せる映画。緊張感倍増の音楽もいい。
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