詩情溢れる日本画:秀畝の世界へ

 
2024年

練馬区立美術館は初めて来たかもしれない。西武池袋線中村橋駅から歩いてすぐの公園内にあった。

練馬美術館 熊の木がお知らせ

公園内には動物や植物の大きな置物が配置されていて、子供たちが動物に股がって遊んだりして微笑ましかった。地元の皆さんの憩いの場所になっている様子。

ひとり小さいスペースに腰掛けてお弁当を食す、うら若き女子もいたりして、のんびりムードでいいですな。

さて、池上秀畝。知らなかったんですけど、いくつかの絵が好みだったので、きっと好きだと思い、いざ。
 

 


同時代を生きた岸田春草との対比から始まり、師匠の荒木寛畝とは板戸の鳥図で横並びされ、興味深い展示。師匠の孔雀が見事過ぎて、秀畝の絵が隣で見劣りするという、この展示はありでしょうか?の場面も。

鳥の秀畝と言われたらしく、鳥の写生絵は見応えあり。植物の写生も素晴らしいです。

大型の絵が多く展示されて、満足のいくものになっていました。鮮やかな色彩の四季図、特に夏の朝顔と紫陽花の組み合わせは2つ別にあり、どちらも美しかった。

楽しかったのは、大型の屏風絵を当時の人と同じスタイルで見て欲しいと、畳敷きのスペースで靴を脱いで近くで見る展示方法。

早速畳に座ると、畳井草の匂いと共に竹林に集う鳥を間近に感じ、緑の濃淡で巧みに表した竹林の奥行きに感心しきり。

ひとしきり堪能した後に離れて見ると、屏風には地上から高く離れた、竹林の上部が鳥目線で横から切り抜かれているようだった。近くで見る時は竹林の中にいるようで、離れると空中。二度楽しむ。