「プレイス・イン・ザ・ハート」

地味秀作。
大恐慌時代のテキサス。エドナ(サリー・フィールド)は酔っぱらった少年に誤って銃殺されて保安官の夫を失う。幼い子供ふたりとどう暮らしていくのかと途方に暮れるエドナに銀行員が訪問。家のローン残高と返済日を知らされ、払えないならばと家の売却を勧められる。
そこに流れ者の黒人モーゼス(ダニー・グローバー)が食事と寝床だけでいいから雑用係として雇ってくれないかと現れる。初めは断るエドナだったが、子供の頃から綿花畑で働いていたモーゼスを雇い、綿花栽培で収入を得ることを決意。
銀行員に綿花の価格が下がっているこの時代に無謀だと言われ、確実な収入源として、彼の義理弟ウィル(ジョン・マルコビッチ)を下宿人にしては?と促される。戦争で失明したウィルと同居していた銀行員はウィルを追い出せるし、厄介払いといったところ。憎まれ顔マルコビッチ登場。
この時代の社会的弱者である未亡人、黒人、障害のある者、幼い子供達。行き場のない者達が共に借金返済の綿花栽培に邁進。
そんな中、ハリケーンが家を直撃。畑仕事中で家にはウィルと幼い娘ポッサムのみ。盲目ウィルは階段の手すりを頼りに2階で遊んでいたポッサムを探し出す。畑から走り戻ったエドナはウィルがポッサムの掛け声で階段を一歩一歩降りてくるのを見るのだった。こんな風に弱者であろうとも各人が出来ることでカバーし合う様が自然に優しく描かれていて、共に支え合う様子が心に沁みるのだ。
でもやっぱり金額が足りない。。。エドナは綿花収穫の一番乗りに賞金が出ることを知り、なけなしの手持ち資金で綿花摘み人を10人雇い、賞金100ドル(当時の大金なのだと思う)に賭ける。結構なギャンブラー、エドナ。大丈夫?
自分も摘むと言うエドナだが、急いで摘もうにも、綿花のトゲで指が切れてしまうんだ。指が切れると、腫れて指の感覚もなくなってしまうし、膝もガタガタになるんだよ。素人綿花栽培人エドナに、そんなの無理だよと賞金計画を諦めるよう言うモーゼス。最初は軽く盗っ人だったけど、家になくてはならない頼れる人になっていくのだった。

しかしエドナの決意は固い。この家が無くなったら子供達と一緒にいられるかもわからない。そうなったら、モーゼスもウィルも行くとこないでしょーが!!と、やるしかないんだと捲し立てるエドナの迫力にビビった。
こうなったら、指が切れようが睡眠足りないだろうが、突っ走るしかない。小さい子供達も指を切りながらもヘルプ部隊に。
初めは神経質に子供のいたずらに激怒していたウィルだったけれど、一家と接するうちに段々と心を開いていく。”俺は俺で”の遠い下宿人スタンスが崩れて、一家に興味と親しみを感じるように。ウィルはエドナの料理はまずいとかなんとかの口実で、綿花摘みで疲れているエドナに食事の用意を代わる優しさをみせる。こういう心の変化が丁寧に描かれている。
改めてエドナに「質問していいですか?あなたはどんな見た目なの?」と聞くウィル。言った後恥ずかしそうしたりして。「美人じゃないわ」の答えにちょっとがっかりする。芸達者マルコビッチの微妙な表情の変化に注目。

で、この時代でコットンフィールドっていうと、この人達が出てきてしまうんですな。

雇われ人モーゼスがエドナ家族へ出来る限りの精一杯の贈り物をするシーンに胸が熱くなった。娘には手作りの人形、息子には欲しがっていたまじないのウサギの脚、エドナには母の形見のハンカチ。家族でも恋愛関係でもない。でも皆と一体だった。モーゼスの気持ちがひしひしと伝わってくる。
ラスト。それでも許せと神は説くのだね。それしか真の平穏はないということなのだろうか。そうかもしれないと思いつつ、白い頭巾の人達だけは無理。
↓応援ボタンです。よろしければ~
![]()