インド映画「RRR」

♬ナーット、納豆、納豆、納豆、納豆、納豆、納豆、、、ナーット、納豆、納豆、、、
(字幕では ♬ナートゥ ナートゥ となっていました。ほぼ納豆です)
インド映画である。ご多分に漏れずこの映画も長い。3時間超え。途中にインターミッション(途中休憩)表示あり。見終わった後には♬ナーット、納豆、納豆、、、がリフレインして止まらなくなるので心してくれたまえ!!
まずはインド映画について。初めて観たインド映画は『ムトゥ 踊るマハラジャ』だった。インド映画の楽しさを広めたいとインド映画好きの人が上映会を開いていたのだった。前情報無し、ただ面白いから観るべしということだけで席に着いた。
冒頭、主人公ムトゥが馬車に飛び乗って(文字通り、飛んで馬車に乗り込むのでご注目)、こちらに向かってくる。白馬が繋がれた馬車におじさん??が堂々の登場。あまり馴染みのない雰囲気の奇妙な絵面に会場に戸惑いの空気が広がった。ムトゥが完全カメラ目線でウインクしたりと自信に満ちた笑顔をこちらに向けてくるので、どういうことだ?と、この映画、何?とさらに戸惑っていると、軽快なダンスミュージックが突如始まって、わけのわからないのっそりと歩く水牛のカットや、なんとも言えない表情のお年寄りのカットが短く挿入される。なんだかじわじわくる。なんだ、これは??の戸惑いを突き破り、会場の節々からはクスクスと笑い声が漏れ始め、仕舞いには我慢できずに皆で笑い出したのだった。衝撃のオープニングだった。ほんと、意味わかんね。で会場中の大爆笑。忘れられない思い出の上映会となった。インド映画のぶっ飛び具合の洗礼を受けたのだった。
『ムトゥ 踊るマハラジャ』オープニングシーン。
日本語字幕はありませんが、言葉の違いなんて軽く飛び越えてるんで、大丈夫です。
インド映画の面白さに衝撃を受けて、その後いくつかのインド映画を観たりしたのだけど、『ムトゥ 踊るマハラジャ』は大傑作だったので、これ以上に面白いものには当たらず、ダンスシーンなんかは安定なのだけど、だいたい同じ作りで長時間観るのに飽きてしまうようになって、その後インド映画からは遠ざかっていた。
そこに、久々のインド映画『RRR』アール、アール、アール。大当たり!!
、、、ムトゥからの進化ぶりが凄かった。インド映画の楽しさを継承しつつ、VFXてんこ盛りでビジュアルがいちいちキマッている。漫画でキメのコマがあるけど、それを連続で動画で魅せている感じ。アホみたいにキメの映像を入れ込んでくるので笑っちゃう。楽しい。3時間飽きない。次を見せてくれ、もっと見たいの麻薬的効果。
ストーリーは勧善懲悪もの。イギリス領インド帝国で英国人からの抑圧に耐えていたインド人達が極悪英国人に報いを受けさせる、その闘いが見ものかと思いきや、3時間もあるんで、恋愛、友情、親子、テーマをモリモリと盛り込んで、ほのぼのしたり、憤ったりの大河ドラマ完成。
美しい歌声のインド少女マッリを気に入って、コイン投げつけて村から連れ去ってしまった英国人総督(レイ・スティーヴンソン)と妻。ペットショップじゃないし、やめてよね。怒った村の守護者ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア)はマッリ救出のため、総督のいるデリーへ向かう。
名前を変えてデリーで潜入、マッリの行方を追う。森では大型の獣と互角に闘う超人ビームだが、通常時はちょっと頬がぷっくりめの愛嬌と優し気な雰囲気がある人。

もうひとりの主人公ラーマ(ラーム・チャラン)はインド帝国の警察官。この人が濃厚なハンサムぶりを放出。フレディ・マーキュリーとプリンス(とかつて呼ばれていたアーティスト)を足して2で割ったみたいなお顔立ち。たっぷりとした毛量をリーゼント風にきれいに整え、身だしなみばっちり。森出身のビームとは違う教養のある者の立ち位置。ビーム役とラーマ役のダブル主演だが、本作はこの人の為のものかと思うほど、魅力を放っていた。

マッリを連れ去った村のゴーンド族の守護者のしつこさとパワーが半端ないとの言い伝えに警戒した帝国警察は攻撃される前に守護者を捕まえたい。ラーマは自身の昇進と引き換えに必ず捕まえると守護者=ビームの捜索にあたる。
そんな時、大河の上の橋を進む貨物汽車のタンクが燃料漏れ。爆発を起こしてタンクごと河に落下する事故が起きる。河で竹籠風小舟で釣りをしていた子供が炎が回る大河に取り残されてしまった。
たまたまその場に居合わせた運命のふたり。橋の上にいたラーマと河岸にいたビームは目配せすると超人的な連携プレーで子供を炎から救い出すのだった。
橋の両側に渡したロープに掴まり、水上の子供へと両側から近づくラーマとビーム。あり得ないダイナミックな救出劇が楽しすぎる。運命のふたりはここで初めて出会うのだった。

追い、追われる者とはお互い知らないふたりはこの救出劇を機に意気投合。仲良しになっていく。
ラーマとビームが友情を深めていく過程を音楽と寸劇を重ねて見せてくる。
♫ 流転する数奇な運命 友の手は固く結ばれた
ビームが燃えるタイヤを転がしてタイヤの穴の向こうにラーマが見えるだとか、森で綱引きをするだとか、高原でラーマを肩車してビームがヒンズースクワットしている図だとか、ちょっと思いつかないようなシーンでこちらを驚かせてくる。これは何だ?と楽しくさせてくる。日本映画とも、ハリウッド映画とも違うその絵面の衝撃を全て受け止める。
わーい。民衆に胴上げされるビームとラーマ。お揃いの黄色い鉢巻きがいいね。

ビームは一定のイメージを保っているのだけど、ラーマは七変化してタイプの違う衣装を着こなしていた。訳あって長髪になった時にはプリンス(とかつて呼ばれていたアーティスト)愛のペガサス時代そのまんまでビビった。
燃え盛る炎の向こうから姿を現すラーマ。きっちりと整えていた制服スタイルから、野性味溢れるペガサススタイルで登場!

衝撃のデビューから2作目。プリンス『愛のペガサス』アルバムジャケットより。同じ。
「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」、「フィール・フォー・ユー」収録💛

英国人に脚を引っ掛けられ、タンゴもフラメンコも踊れないやつとビームがバカにされた時、ラーマが華麗なドラミングでその場を支配。さぁいくぞとばかりにビームに助け船を出す。
「ナートゥをご存じか?」とふたりで♬ナーット、納豆、納豆、、、の音楽に合わせて激しい右足ステップのナートゥダンスを踊ってみせるのだ。皆でステップを踏む楽しいパーティシーン。ビームの想い人が見守っていることに気付いたラーマがわざと負けて花を持たせてやるまでがセット。でも敵なんす。こんなに仲良くペアダンスしてるふたりの運命やいかに?バッタンバッタンと怒涛の日々を駆け抜けるふたりを見届けてくれたまえ!
同監督による『バーフバリ』についてはこちらを。
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