「うつわ使いがもっと楽しくなる本。<つづき>」
安野久美子 著

前のものは読まず、いきなり<つづき>から読んだ。問題ない。
器をこんな風に使うと素敵になるというのを実例を伴って教えてくれる。器のギャラリーを営んでいる人の本なので、いわゆる作家ものの器を使ってはいるが、作家ものと言えど奇抜なデザインはなく、昔からある和風で雰囲気がよいというタイプが多いので大いに参考になる感じ。文章よりも写真で説明しているのが一目瞭然。
全てが白い器だと無味乾燥になりがちだから、キーカラーを決めてから同系色や反対色を取り入れるといいという提案。食器は白で揃える人もいると思うので、やりがちと思うが、実例写真で白い皿だけの食卓と色が交ざっている食卓の見た目の違いに納得。美味しそうに見えるのが5倍くらいアップしている。洋食器だと白で全部揃えたりしてもなんともないが、あれは一皿ずつ提供されるような場面が多いからテーブル周りのカトラリーや花なんかとの調和で見せているのだと気付く。日本の食卓だと飯茶碗と味噌汁椀、主菜、副菜と一篇に並べるから、カラー効果で食卓にリズムが生まれるみたい。
あと、全てを丸皿、丸鉢で揃えると無難ではあるが気持ちが上がらないとして、違う形を使うとか。難易度が高そうに見えるが、そういえば和食器って割りと丸じゃなかったりするものも多いので、やっぱり日本の食卓で合うものが生まれていたんだなぁとしみじみ。
料理に対しての器のサイズ感も、なんとなく感覚で余白をとっていたけれど、写真で見せられて納得。よく何の違いなのか?と思っていたけれど、ダメな方の写真を見て、あ、こういう盛り付けある。これだったのか。。。とほほ笑む。料理自体は美味しそうなのだけど、盛り付けが素朴というか、さぁ食べなさーいというベテランお母さんっぽい感じの。全然いいんですけどね。ほっこりする感じで。ちょっとの違いで洒落るんだな。
お気に入りの作家でどれを買うか迷ったらオーバル皿(楕円の大き目なお皿)にせよと言うのにえらく頷く。収納がしづらいので処分しようかと思ったオーバル皿があって、たまたま人が来る時にそれを組み合わせたら、縦幅がないからテーブルに収まりやすいうえに、こなれた感じになり重宝することに気付いて愛用している。ワンプレートの盛り付けが丸皿より決まりやすいと言う。早速やってみよう。
結局、家でお米メインが多くなる訳で、そうなると飯茶碗と組み合わせて、洋食メニューも和食メニューも合うような器がとても重宝する。洋食器は和食メニューが合わないことがあるけど、逆に和食器は洋食メニューも映えることが多いので、色々使ってきて和の雰囲気のある器が活躍することになってくる。保管スペースにも限りがあるのでこの本の提案は日本の食卓にとても馴染むと思った。
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選ぶ。そろえる。合わせる。うつわ使いがもっと楽しくなる本。 [ 安野 久美子 ] 価格:1540円 |
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